不定愁訴とトリガーポイント
不定愁訴とは
原因がはっきりしないが、患者はつらい症状を訴え続ける、と言った場合に使われている病名だといえます。
原因がはっきりしないのですから、治療法もこれと言ったものがなく、「ストレスをためないようにしなさい」「軽い運動をして下さい」などのアドバイスと、安定剤やビタミン剤が投与される事が多いようです。
自律神経失調症やうつ病と診断されることも少なくなく、原因が解らないだけに辛く不安で憂鬱な日々を過ごされることになります。
自律神経に変調が生じると、頭痛、耳鳴り、食欲不振、生理不順、肩こり・腰痛、息切れ、便秘・下痢、冷え・ほてり、動悸・頻脈(ひんみゃく)、しびれ、倦怠感、口渇(喉の異常な渇き)などの身体症状や、イライラ、不安感、憂うつなど心にも症状が現れます。また、これらの症状は、複数重なって起こる場合もあります。
更年期障害の症状について
ホルモンの変化により様々な症状があります
女性には、閉経の前後に女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少することから、更年期特有の症状がよくみられます。
更年期障害は従来、女性だけのものと思われてきました。ところが最近は、男性にもよく似た症状が起こることがわかっています。
男性の場合、加齢によって男性ホルモン(テストステロン)が減少していきます。女性のエストロゲンほど急激な変化ではありませんが、それだけ症状が自覚しにくいともいえます。
手足の冷え、イライラ、動悸、息切れ、不眠など、女性と共通の症状がみられますが、なかでもとくに多いのは、疲労感や倦怠感(だるさ)です。疲れがなかなかとれず、体力が落ちたと感じる人が少なくありません。
また、仕事や趣味に対する意欲や気力がなくなる、といった症状もよくみられます。テストステロンは活力や積極性の源泉となるホルモンだけに、その減少が影響していると考えられています。
ホルモンバランスの乱れが生じ、自律神経の調節がうまくいかなくなります。
ホルモンの変化の他、加齢にともなう身体的変化、心理的因子(もともとの性格や生育歴など)、家庭や職場・地域などの社会的な環境(子育て、両親の介護、他界、仕事の影響など身近な人との人間関係など)が複合的に影響することで、更年期障害があらわれます。
不定愁訴と筋膜
【不定愁訴】について、筋膜との関連をお伝えしたいと思います。
不定愁訴の発生要因としては、ストレスや疲労が考えられます。①交感神経の持続的緊張 ②ホルモンのアンバランス ③低体温 などが挙げられますが、筋膜や骨膜などに生じるトリガーポイントによって起こされているものが数多くあります。
トリガーポイントは、関連痛や知覚過敏(しびれ)・違和感といった症状のほかに、感覚鈍麻・発汗・めまいなどの自律神経症状を引き起こします。このトリガーポイントによる痛みやその他の症状を引き起こす症候群の総称を筋筋膜性疼痛症候群=MPSといいます。
画像診断ではわからない痛みや不定愁訴と呼ばれる原因不明の症状の多くが、このMPSが引き起こす症状ともいえるのです。
日本人の更年期症状のランキング1位は肩こりなんですね。
日本女性医学学会、女性医学ガイドブック 更年期医療編2014年度版、金原出版
不定愁訴といわれるお辛い症状でお悩みの方は、薬物療法・カウンセリング心理療法・食事療法・運動療法などの様々な治療をされていると思われます。
そこに、トリガーポイント療法をプラスされ筋膜の調整をすると、より痛みや不快感の軽減につながります。